廃棄前のウエット素材でつくるスマフォケース【COWBELL】

FabLab FujisawaによるLocal Creators Bazaarの開催を記念して、出展している作家さんご自身によるブログリレーをスタート!

第1弾は、ウェットスーツの素材から「COWBELL」というスマホケースを制作された、コメヤデザインの山下公明さんです。FabLab Fujisawaのオープン間も無い頃からご利用いただいている山下さんが、オープンラボで機材を利用されながら試行錯誤している風景を見てきました。「COWBELL」が誕生するまでの背景やビジョンなどを語っていただきました。


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Panasonicで携帯電話(ケータイ)のデザイン開発に長く関わっておりました。ケータイは技術革新のスピードが速く変化の激しいプロダクトでした。
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0804/03/news128.html

企業でケータイやスマートフォンを取り巻く周辺の開発を直視してきた立場で、「フリーランスの今だからこそ」、そして「この地だからこそ」自然の流れで生まれたと思える提案がこの【COWBELL】です。

この数年は「身近な範囲なほど創造の質が高まる」と考え、活動の範囲を今住む<湘南エリア>と<故郷・鹿児島>にフォーカスし、「Fab × デザイン × 地域」をテーマに「小規模生産・身近なひと/地域・身近な素材、での価値向上を目指すような取り組み」を目指し、徹底したヒアリング・モニタリングに時間を掛け、またジャンルに囚われず、ゆったりとした創作活動をしています。

http://fablabjapan.org/2016/05/30/post-6628/

また、30年近くのメーカーでのデザイン開発スキルを活かし東京都の中小企業支援業務にも関与しています。

http://www.tokyo-kosha.or.jp/support/shien/seminar/dojo.html

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ストーリー

<なぜ作るか?>
湘南にはオーダーサーフボード、オーダーウエットスーツのラボが多くあります。自分のスタイルや、習熟度、また身体にジャストフィットしたウエアやボードが欲しい、ビーチで他人と同じウエアは身に付けたくない、など他の地域では得られない「この地ならでは」のマインドが存在している点にその理由がありそうです。そんな中、オーダーウエットスーツのラボではトレンドのシーズンを過ぎた素材(ロール)が廃棄されていて処分も有償なのでうず高く積まれたまま未使用在庫が放置されているラボは少なくありません。

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そこでこの使われなかった素材を使って、今の時代に必要とされるようなスマートフォンなどの電子機器を衝撃から守る「ホルダーケース」の開発をしたいと考えました。携帯電話のデザイン開発に長く関わってきたこと、本業では、生産・販売の専門家との接点が多いこと、など条件が整っていることも動機としてあります。
といってもスマートフォンの「ホルダーケース」は実用性という観点では世の中に同じソリューション(衝撃を吸収するケース)で「格安で」「大量に」出回っていることはもちろん承知していますから「この地ならでは」=湘南のサーフカルチャー、希少性、社会性、といったファクトを武器に、安く大量に作れる既存品との違いに賛同いただける方に向けて、またゆったりと仲間を募りながら商品化の検討をしたいと考えています。

<急がない>
当初はウエストポーチタイプで縫い合せた手作りの試作をしました。カタガミを何度も作ったり、縫製に最適なミシンを探して試したり、市販のパーツや材料と組み合わせたり、試行錯誤を繰り返しました。

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未完成ながらご縁があって昨年「d-labo湘南×STORES.jpコラボ展示企画」にも参加させていただきました。

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※定規は Factionery → http://www.factionery.jp/product/johgi.html

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<耳を傾ける>その後は試作品を多くの方にお使いいただき、モニタリングとヒアリングの繰り返しで改良を重ね、ワークショップ等も幾度となく実施して、ゆったりと進化しながら現在の姿になっています。

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特徴

<COWBELLデザインポイント>
1.ウエットスーツ素材なので洗える
2.薄いシート素材なので腰回りにフィットする
3. のりづけするだけなので自分で簡単につくれ、修理も自分で簡単にできる

<ケース本体>
レーザー加工機でカットしたウエットスーツ素材を接着しただけの単純なつくりで、トレンドのシーズンを外れ数年経った残在庫を利用しているので、汚れや痛みのある場合があります。また、主にデッドストック素材を活かすアップサイクルを前提としていますので今あるモノと同じ品がまたあるとは限りません。

<フック>
3Dプリンターで作ったABS樹脂製です。一般的な射出成型より強度が落ちる場合があります。
※1品1品すべて手作りのクラフト製品なので製品によってばらつきがございます。接着剤のはみ出しや未見接着箇所、フックのバリがあります。お使いの前にお確かめください。

<FACEBOOK> https://www.facebook.com/koumei.yamashita1
<インスタグラム> https://www.instagram.com/komeya1965/
<ホームページ > http://komeya1965.wixsite.com/komeyadesign
<ご協力①出張まち工場:川田様> http://www.machi-koba.com/
<ご協力②モールドテック:落合様> http://www.pluto.dti.ne.jp/~m-tec/
<ご協力③株式会社クリード:山下様>  https://www.qulead.co.jp/
<ご協力⑤神奈川大学FABLAB HIRATSUKA様> http://www.mgmt.kanagawa-u.ac.jp/fablabhiratsuka/
その他、支援者の方々多数。

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